ぽぽとの出会いは2019年9月23日。日頃から野良猫との遭遇を密かな楽しみにしていた私たち夫婦は、ペット可のマンションに引っ越したばかり。まだ里親になる決心もないまま、何気なく保護猫カフェを訪れたのです。
VELCATの保護猫たち
私たちが訪れたのは、横浜の馬車道駅から少し歩いたところにある保護猫カフェ「VELCAT」。
レンタルスペースとしても運営されている保護猫施設で、お気に入りの猫ちゃんが見つかれば、個室で触れ合うことも可能というのが魅力でした。
この日は、たまたまオープンスペースが貸し切り状態で、のんびりくつろぐ猫ちゃんたちと触れ合い放題。
一般的な猫カフェ(保護猫の譲渡を目的としないお店)だとお客さんにかまってくれない猫ちゃんが多い印象ですが、VELCATでは猫ちゃんたちのほうから寄ってきてくれました。
夫と私、それぞれが第一印象で気に入った猫
たくさんの猫ちゃんがいて私が興奮している中、当初から夫が気になっていたのが、入口付近の爪とぎベッドで丸くなっていたキジトラの猫ちゃん。
私たちが入室しても気にするそぶりも見せず、夫がなでてみると、その手に自分の足をかけてきたそうです。これが、のちに家族に迎え入れることになる「ぽぽ」でした。
一方、私が夢中になっていたのはハチワレ猫のオレンジちゃん。おそるおそる指を差し出すと、手をぺろぺろなめて、私の隣に静かにいてくれたのが印象的でした。
実は、近所にお気に入りの茶トラ猫がいたことから、訪問前は「飼うなら茶トラか茶白がいいな~」なんて考えていました。
ですが、実物の猫ちゃんたちを目にすると、おとなしい子、活発な子、我が道を行く子……といろいろな子がいることがわかり、見た目じゃなく性格がフィットする子がいいなと思うようになったのでした。
帰り際、急に膝に来てくれたのは……
退室の時間が迫り、「そろそろ時間?」なんて夫と話しながらソファに座っていると、夫の膝にはキジ白のチャンちゃんが、私の膝にはぽぽが急に乗ってくれたんです……!
ぽぽが背もたれのあたりまで来てるなーとは思っていたんですけど、まさか初対面で膝に来てくれるなんて!急に甘えたくなったのか、それとも1時間弱経ってようやく私たちに近づく勇気が出たのか。
高まる気持ちを抑えてぽぽをそっとなでると、あったかくてもふもふ……。時間が来るまで、そのまま膝の上で気持ちよさそうにくつろいでくれたのでした。
帰宅後、「ぽぽ」のことが忘れられず
帰り道、どの猫ちゃんが気に入ったかを夫と話し合ったところ、夫のお気に入りはぽぽ。私もオレンジちゃんに惹かれながらも、やっぱり膝に乗って甘えてくれたぽぽが忘れられず。
帰宅後もぽぽが我が家に来てくれたら、なんて話しながら、ついキャットタワーをポチってみたり。
夫婦で考えた末、その翌週にもう一度ぽぽに会いに行き、帰りに里親の申込書を提出。思っていたよりも、ずいぶん早い決断になりました。
それからというもの、ぽぽの譲渡まで週1ペースでのVELCAT通いが始まったのでした。